白馬村新民宿宣言プロジェクトは白馬村観光局の「白馬村再生計画」依頼を受けて、そのコンセプトに共鳴した大学生と宿オーナーが協力し新しい宿泊施設形態「新民宿」を作っていく活動です。
スキーブームや長野五輪がつくってきた時代は一時期の繁栄と大量の観光客をもたらしましたが、同時に宿泊施設からその土地の風土に寄り添う生き方(生活文化)を奪い去ってしまいました。これは高度経済成長期を経て日本が到達した利益優先の傾向だともいえます。
その中で民宿は、本来の生活文化をひそかに守り続けてきた数少ない宿泊施設です。私たちはその風土に寄り沿う生き方に驚きと感動を見出し、この生活文化に浸れる場所として新民宿を作ります。日常生活を送る都会人が観光客として白馬を訪れた時、その人が白馬の生活文化とつながれる「窓口」として新民宿がその役割を果たします。
このプロジェクトでは、特に「個人・地域・自然環境のつながり」に着目し、今一度その「価値」の発掘/再編集を行うことで、白馬村の生活文化を感じられる宿泊施設「新民宿」を作っていきます。
さまざまな自然の色合いが重なり合っている。
きれいだけど、この重なりは景色だけに当てはまらない・・・?
白馬村の生活は、「真善美とのつながり」によって成り立っています。
自然環境が育む畑とのつながり
風景が作る観光とのつながり
自然に対抗する形で生まれた「組合」とのつながり
「真善美とのつながり」で成り立つ生活は、不確実に起こる様々な要因に大きく影響されます。 大雪で作物が育たなかったり、逆に雪が全く降らず観光業に影響が出たりします。 一方で、自然が作る芸術に立ち会うことができたり、隣人からのお裾分けで思わぬ喜びを得たりします。
育てた野菜を引っこ抜いたことはありますか?
育てた野菜を炒めたことはありますか?
育てた野菜を漬けたことはありますか?
育てた野菜を中心にしたメニューを作ったことがありますか。
育てた野菜をプレゼントしたことはありますか?
野菜を食べるには育てなければならないのは当たり前ですが、野菜を育てるって大変です。
特にスピードが求められる時代では簡単に手早く手に入るものが好まれます。しかし、それが原因で安心・安全に大きな問題が出ています。
一方で手をかけて野菜を育てるのは大変ですが、手をかければかけるほど野菜は美味しく健康に育ちます。
新民宿は美味しくて健康な野菜を食べたいから、大変でも一つひとつ手をかけて野菜を育てることを選んでいます。そして訪れたお客様にも、一緒に野菜に手をかけていただきたいと思っています。
ホテルにはなく、旅館にはなく、ペンションにはなく、民宿にあるもの。それは「時間が積み重ねた白馬村の生活文化」です。90%が兼業農家である白馬村は、その農家のほとんどが民宿を経営しています。そのため白馬村民宿は日常の生活文化の延長線で経営がなされており、そこには「自宅の鍋を一回り大きくした民宿」があります。
あなたの食事は誰によってどこで作られ、どこから運ばれてきたものか知ってい ますか?
あなたは季節をメディアの宣伝文句で感じることが普通になっていませんか?
あなたは近所に喜びや不安を共有でき、互いを支え合える人間関係を作れていま すか?
あなたの生活はやるべきことの繰り返しに留まり、驚きのないものになっていま せんか?
都会の生活は一人一人が個人で生きられることを前提として作られています。その結果周囲とのつながりから切り離され、心苦しい「断片化」した生活が作られてしまっています。
白馬村には、統合した生活が残っています。
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